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 ■感じたことを素直に記憶するために。

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夢うつつの世界に浸る

 6:30

 白い数字列が点滅すると、ガチャガチャと耳につく音を立てながら、アクリルで飾られた一機械が起動する。
 しずしずと流れ出す音楽。
 前日に、タイマー設定されたコンポの出す音である。

 ラヴェルのDaphnis Et Chloé Suite #2。
 私のような凡人には理解できないオーケストレーション技法が紡いでいくのは、目覚ましにはふさわしい「朝」の情景。ミュージカルか何かは忘れたが、曲そのものが朝をイメージしていることは確か。
 ゆったりと流れるメロディ。
 その心地よさに任せて、毎回2度寝してしまったものだ。

 ベッドの中で目が覚めてから、完全に起床するまでの間、夢と現実が交錯する。
 脳内のイマジネーションが好き勝手に絡まりあって、天の川のように輝きだす。天体と違っているのは、ただただそれらを支配する根本的な方程式が存在しないこと。仮想の中に生きれるという例えは、この時間の表現にいちばん似合っている。


 コンポを目覚ましとして使用していたのは中学生の頃で、ラヴェルの曲をかけるのは2ヶ月くらい継続した。遅刻性の私がどれだけ「夢うつつ」の状態になったか数え切れない。
 いまでもこの曲を聴くとき、頭だけが幻想の世界に没入していくような、なんともいえない感傷を受ける。断続的な風景画は、もちろんどれも現実ではなく、いつか想像の渦の中で生まれてきたものたちばかりだ。残念なことに、これらの意味を解することはできない。ただ、絵の印象そのものが湧いて出てきて、勝手に滴り落ちていくようなイメージがある。

 いま はやっているような、過去を思い起こす青春ソングとか、懐メロとかなどとは少し違う。
 億劫さや、悲しみや、めんどくささや、自分の弱いところなど、もっと色々と詰め込まれている。

 どんな言葉で例えるべきか、しばらく考えたあげく、たいしたことでもないのだからと忘却のドメインにさっさと捨てこむ、けれども異国の見知らぬ人物が死んだことを聞いたときのような、貴重なものがまた1つ確かに失われてしまったときの、かすかな胸のわだかまりを生じさせる「何か」。

 6:35

 うるさい。
 うるさい。

 私はリモコンをつかむと、電源ボタンを押して消し、不機嫌な面持ちでベッドに戻る。

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【食事】
朝:抜き
昼:カップラーメン
夕:鍋
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  1. 2013/01/15(火) 23:59:59|
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